こだわり
およそ72時間をかけて完成する、当店創業以来の看板メニュー、黒毛和牛カレー。
だしにこだわり、和牛にこだわり、コクにこだわる。
そのこだわりを、余すところなくご紹介します。
朝4時半、堺カリーの朝が始まります。
黒毛和牛カレーづくりの第一歩、それはだしづくり。
まずはだしに使う仔牛の骨を水に浸し、血抜き行います。そして、およそ4時間、血抜きした仔牛の骨をオーブンでしっかりと焼くことで、余分な水分を飛ばします。
これと並行して、まるごとの鶏を解体し、仔牛の骨と同様、水に浸して、しっかりと血抜きを行います。
しっかりと焼きあがった仔牛の骨と、血抜きした鶏肉、そして香味野菜、かつお、昆布などを鍋に入れ、およそ24時間をかけて、じっくりと煮込みます。
そうやって出来上がるのが、堺カリー自慢のフォン・ド・ヴォー(だし汁)。静かにすくい上げるその色は、まさに黄金色。
カレーのだしに、かつおや昆布が入っていることに驚かれるかもしれません。日本人の口に合う、カレーのためのだし。この味を追い求めた結果、たどり着いたのが和風の隠し味。
当店のだしづくりは、素材にも、調理工程にも、そして隠し味にもこだわっています。
個体識別番号などから、その生産者などの情報を確認できる国産の黒毛和牛。サシもしっかりと入り、豊かな脂身も特徴です。
しかし、脂は旨味であるものの、残しすぎると重たくなります。反対に、脂を過度に取り除けば、そのおいしさは損なわれてしまいます。
生肉にまとう脂分を、「ちょうどいい」程度に取り除く。それが、旨味を適度に残しつつ、重さを感じさせないお肉に仕上げる下準備。
黒毛和牛なのに、あっさりしている。お客様から寄せていただくそんな声の秘密は、実はお肉の下準備のおかげです。
黄金色のフォン・ド・ヴォー(だし汁)に、黒毛和牛やフルーツチャツネ、デミグラスソース、そしてあめ色に炒めた玉ねぎなどを足しあわせ、再び煮込むことおよそ24時間。
ひとつひとつの素材の味が優しく調和するこの段階。甘みを出し切った玉ねぎなどを漉(こ)すと、それはまさに、ベルベットのような舌触り。
そして最終段階。小麦粉でとろみをつけながら、市販のカレールーやカレーフレークは一切使わず、独自に考案したスパイスの配合によってカレーの味を仕上げます。
下準備から完成までおよそ72時間、こうやって黒毛和牛カレーが完成します。
まるでハンバーグカレーのようにも見える、ゴロっとした大きなお肉が特徴の黒毛和牛カレー。
手作りだからこそ実現できる、塊感を大切にした黒毛和牛。しかしその見た目とは対照的に、スプーンでもほぐれ、お口の中に残らない柔らかさ。
それは丁寧な包丁さばきと、圧力鍋での処理によるもの。味はもちろん、ボリュームある塊感と食べやすさは堺カリーの黒毛和牛カレーで、とくにご堪能いただきたいポイントです。
当店のカレーは、メニュー(黒毛和牛カレー/黒毛和牛カレー(甘口)、野菜カレー、ビーフカレー、チキンカレー、ハヤシライス)ごとに材料や作り方が異なり、それぞれのメイン食材が最も引き立つカレーをつくっています。 ぜひ、それぞれの食べ比べもお楽しみください。 |
私達がご提供したいのは、特別な日だけではなく、毎日の食卓でもお召し上がりいただける、みんなが笑顔になるカレー。そのためには、安定的な材料調達と、高くなりすぎないことも大切です。
普段、皆さまがスーパーで野菜を買うのと同じように、一般的に出回り、売られている野菜を使って、こだわりのカレーをつくる。実際には、ほとんどが国産野菜ではあるものの、常に100%国産を求めるのではなく、その時々の良い素材を吟味する。
産地ばかりにこだわりすぎず、バランスよくカレーをつくる。しかし、丁寧に材料を選び、丁寧に処理し、丁寧に仕上げる。
これも、私達が大切にするこだわりです。